ABSTRACT W14-5(W14)
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同位元素標識モノクローナル抗体の臨床応用:阪原晴海(京大・医・核医学)

Clinical applications of radiolabeled monoclonal antibodies for the diagnosis and therapy of tumors: Harumi SAKAHARA (Dept. Nucl. Med. and Diag. Imaging, Postgraduate School of Medicine, Kyoto Univ.)

抗腫瘍モノクローナル抗体を放射性同位元素で標識してがんの診断や治療に用いる試みは、すぐにも臨床で大きな成果が上げられると期待されたが、その研究の足どりは必ずしも順調ではなかった。しかしここ数年の間に欧米では診断薬が次々に認可され、治療薬も第3相臨床治験を終えようとするものが現れた。我々も標識抗体による画像診断の臨床試験を行ってきたが、腫瘍集積になお改善の余地があるものの、本法によって新しい病巣が検出されるなど、本法が臨床で十分有用な検査法になりうると考えられた。一方、標識抗体による治療の臨床試験はわが国ではほとんどなされていない。毒素や抗癌剤を抗体に結合させたものに比較し、標識抗体は必ずしも細胞内に取り込まれなくともがん細胞に致命的な損傷を与えうること、放射線の飛程の範囲内であれば標識抗体が結合していないがん細胞に対しても効果が期待できることなど有利な点が多い。またあらかじめ少量の投与量でイメージングをすることにより治療効果の予測や投与量の決定が可能である。米国においてはI-131標識抗CD20抗体がB細胞リンパ腫に対して優れた治療成績を示すことが報告されている。固形がんに対してはまだ満足すべき結果が得られていないが、我々の動物モデルを用いた検討では対象を微小な散布巣や転移巣に絞れば有効と考えられる。わが国においても今後、標識抗体による治療の有用性を臨床の場で検証していくことが必要である。