ABSTRACT W15-5(W15)
ヒト胃癌における血管新生とインターロイキン8: 北台靖彦1,高橋 豊2,仲 一仁3,向田直史4,大本安一5,春間 賢1,梶山梧朗1,田原榮一3(広島大医、1第一内科,3第一病理,金沢大がん研、2外科,4薬理部,5大塚製薬、細胞工学)
Interleukin-8 regulates angiogenesis in human gastric carcinomas : Yasuhiko KITADAI1, Yutaka TAKAHASHI2, Kazuhito NAKA3, Naofumi MUKAIDA4, Yasukazu OHMOTO5, Ken HARUMA1, Goro KAJIYAMA1, and Eiichi TAHARA3 (1First Dept. of Int. Med. and 3First Dept. of Pathol., Hiroshima Univ.; 2Dept. of Surg.and 4Dept. of Pharmacology, Cancer Res. Inst. Kanazawa Univ. 5Otsuka Pharma. Co. Ltd.)
Interleukin-8 (IL-8) は血管内皮細胞に対し増殖および遊走促進作用を有し、VEGFやbFGFと並び重要な血管増生因子の一つであると考えられている。我々はこれまでヒト胃癌でのIL-8発現レベルが腫瘍内微小血管数と強く相関することを見いだしているが、今回、血管新生に対するIL-8の直接の作用を知る目的で、IL-8発現ベクター(IL-8-BCMGS)を胃癌細胞株TMK-1 細胞(IL-8低発現株)に導入し、増殖および血管新生に及ぼす効果を検討した。IL-8遺伝子導入株ではIL-8mRNAおよび蛋白を過剰発現しており、その培養液はHUVEC細胞の増殖を促進した。in vitroでの細胞増殖速度はIL-8遺伝子導入株とコントロールとの間で差は認められなかった。しかし、ヌードマウスの胃壁にこれらの細胞を移植(同所移植)すると、IL-8遺伝子導入株では微小血管の豊富な腫瘍を形成し、コントロールに比し造腫瘍性、腫瘍増大速度とも有意に促進された。以上のことから、胃癌細胞から産生されたIL-8はparacrine的に血管内皮細胞に働くことにより血管新生を促進させ、胃癌の増殖、進展に関与していることが示唆された。