第62回日本腎臓学会学術総会


登録番号:20103
演題番号:O-196
発表日:2019/06/23
時刻:14:40〜15:40
会場:第9会場(2号館 3階 会議室232+233)
発表セッション記号:75
発表セッション名:ネフロン数とGFR
発表セッションサブタイトル:
座長名:堀尾 勝、
座長所属:大阪大学保健学専攻、

非造影CTと腎生検標本を用いたヒト総ネフロン数の推算

佐々木 峻也1、坪井 伸夫1、岡林 佑典1、春原 浩太郎1、神崎 剛1、小池 健太郎1、小林 賛光1、山本 泉1、横尾 隆1

1東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科

【背景】ヒトの総ネフロン数は腎予後を規定する。近年、造影CTと腎生検標本によるドナー腎の総ネフロン数推算法が報告された(Denic et al. JASN, 2017)。腎疾患患者に適用可能な非造影CTを用いたネフロン数推算法を確立することを目的とした。【方法】造影CTと非造影CTが同時に施行された患者・腎移植ドナーを対象とした。モデル構築群と検証群へ3:1に無作為分割した。Softwareを用いてCT画像を三次元構築し、造影CT測定腎皮質容積(CV)と非造影CT測定腎実質容積(PV)を求めた。重回帰分析よりPVと臨床因子によるCV推算式を作成した。ドナー術中腎生検の糸球体密度と推算CVの積から総ネフロン数を算出した。【結果】対象107例(ドナー49例、男性50例、高血圧54例)。平均59歳、平均eGFR 64 ml/分/1.73m2。モデル構築群より次の回帰式を得た:推定CV (mL) = 0.167 × eGFR (mL / min / 1.73m2) + 14.4 × BSA (m2) + 0.628 × PV (mL) - 24.0 (切片) (Adjusted R2 = 0.867)。モデル検証群において、実測CVと推定CVは強く相関した(r=0.937)。ドナー群の実測CVと推定CVから算出した総ネフロン数は近似した (653,000± 225,000 vs. 665,000 ± 222,000; relative error 2.2%±9.2%)。【結論】腎疾患患者にも適用できる非造影CTと腎生検標本から総ネフロン数の推算が可能と考えられた。