登録番号: | 10016 |
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演題番号: | S18-5 |
発表日: | 2020/08/21 |
時刻: | 09:00〜11:00 |
会場: | 第11会場(ノース 4階 G401+G402) |
発表セッション記号: | 46 |
発表セッション名: | シンポジウム18 移植腎長期生着に対する方策:腎臓内科医は腎移植にどう関わるか? |
発表セッションサブタイトル: | |
座長名: | 升谷 耕介、豊田 麻理子 |
座長所属: | 福岡大学腎臓・膠原病内科学、熊本赤十字病院腎臓内科 |
矢西 正明1、小糸 悠也1、塚口 裕康2、木村 穣3、木下 秀文1、松田 公志1
1関西医科大学 腎泌尿器外科学講座、2関西医科大学附属病院 腎センター、3関西医科大学附属病院 健康科学センター
一般高齢者において社会的・身体的な機能を維持すること、いわゆる健康寿命を延ばすために、近年フレイルやサルコペニアといった概念が提唱されその重要性が指摘されている。腎移植患者は一定期間の末期腎不全期を経て、腎移植を受けることでCKD保存期へ戻るという複雑な経緯をたどっており、ステロイドをはじめとする免疫抑制剤の長期内服や糖尿病など生活習慣病を有することも多く、献腎移植患者の場合に至っては長期に渡る透析期間など個々に様々な課題を有しており、腎移植患者にとってフレイルやサルコペニアへの対策はより重要であると考えている。我々の検討では保存期腎移植患者はサルコぺニアやフレイルの有病率が高く、関連因子としては年齢以外に移植前透析期間や低い身体活動量があげられる。更に移植後6ヵ月・12ヵ月目の筋肉量評価では、移植前と比較して骨格筋量は低下しその後もなかなか回復していないことがわかった。つまり腎移植を受け末期腎不全から離脱するだけでは骨格筋に好影響を与えるには弱く、生活習慣や運動習慣の改善がなければ筋肉量は回復しないことがわかった。そこで当施設では腎臓リハビリテーションに力を入れており、移植前にCPX(心肺運動負荷試験)を含めた運動耐用能や筋力の評価を行い、移植直後より身体活動量を上げる運動指導と、ビタミンD摂取などの食事指導で介入療法を行っており一定の効果を得られている。しかし、エビデンスの不足や患者のモチベーション維持など腎移植患者への腎臓リハビリテーションはまだまだ課題が多くこれからの発展が期待される。 |