登録番号: | 10045 |
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演題番号: | S11-4 |
発表日: | 2020/08/20 |
時刻: | 09:00〜11:00 |
会場: | 第2会場(ノース 3階 G303+G304) |
発表セッション記号: | 16 |
発表セッション名: | シンポジウム11 DKDと食事 Up to date(日本糖尿病学会合同企画) |
発表セッションサブタイトル: | |
座長名: | 岡田 浩一、植木 浩二郎 |
座長所属: | 埼玉医科大学腎臓内科、国立国際医療研究センター研究所糖尿病研究センター |
武田 尚子1、荒木 信一2、前川 聡2
1滋賀医科大学附属病院血液浄化部、2滋賀医科大学糖尿病内分泌・腎臓内科
DKDの治療目標は、健常人と同じ生活の質と寿命の確保であり、そのために末期腎不全への進行・心血管疾患発症の阻止が重要となる。さらに、高齢DKD患者では、生命予後や生活の質に大きく影響を及ぼすサルコペニア・フレイルの発症予防も重要となる。サルコペニア・フレイル予防のためには、運動療法とともに食事療法が重要であり、十分なエネルギー摂取と良質なたんぱく質摂取が推奨される。しかしながら、これまでのDKDの食事療法では、腎機能正常時にはエネルギー制限を中心とした糖尿病食が、DKDの進行に伴い腎機能が低下してくるとたんぱく質制限を中心とした腎臓病食が指導されるため、フレイル対策が必要な高齢DKD患者の食事指導に混乱を生じていた。そこで、サルコペニア・フレイルを合併した保存期CKDの食事療法の提言では、サルコペニア・フレイルを合併したCKD患者では、必ずしも画一的なたんぱく質制限食ありきではなく、サルコペニア・フレイル対策が重要と考えられる患者ではたんぱく質制限を緩やかにしても良いとの考え方と、その場合のたんぱく質摂取量の目安が提唱された。また、昨年に改訂された糖尿病診療ガイドライン2019では、食事療法におけるエネルギー摂取量の考え方が変更され、BMI 22を標準体重として算出してきたエネルギー摂取量を、年齢別の目標体重から算出する方法へ変更された。このように、これら最近の食事療法に関する提言やガイドラインでは、年齢、合併症の程度、老年症候群の有無、身体活動量など個々の患者背景に応じて柔軟に対応していく食事療法が推奨されている。とくに、高齢DKD患者では、サルコペニア・フレイル予防の観点から、画一的なエネルギー・たんぱく質摂取制限ではなく、個別化を図りより柔軟に対応していくことが必要である。 |