登録番号: | 10085 |
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演題番号: | S11-2 |
発表日: | 2020/08/20 |
時刻: | 09:00〜11:00 |
会場: | 第2会場(ノース 3階 G303+G304) |
発表セッション記号: | 16 |
発表セッション名: | シンポジウム11 DKDと食事 Up to date(日本糖尿病学会合同企画) |
発表セッションサブタイトル: | |
座長名: | 岡田 浩一、植木 浩二郎 |
座長所属: | 埼玉医科大学腎臓内科、国立国際医療研究センター研究所糖尿病研究センター |
細島 康宏1、蒲澤 秀門1、成田 一衛2、鈴木 芳樹3、斎藤 亮彦4
1新潟大学腎研究センター病態栄養学講座、2新潟大学腎研究センター腎・膠原病内科学、3新潟大学保健管理センター、4新潟大学腎研究センター機能分子医学講座
CKD, DKD患者におけるたんぱく質制限は, その有効性の有無, 危険性, 遵守率の問題などから, 未だに多くの議論がある. しかしCKD診療ガイドライン2018においては, 非糖尿病性CKD患者や1型糖尿病DKD患者のGFR低下抑制に対して有効であり, 2型糖尿病DKD患者でも有効な可能性があることから, 画一的な指導は不適切であるものの, 個々の患者の病態やリスク, アドヒアランスなどを総合的に判断し, 腎臓専門医と管理栄養士を含む医療チームの管理の下でたんぱく質摂取量を制限することを推奨している. また, アメリカ糖尿病学会においても, DKDの早期から0.8 g/kg 理想体重/日程度のたんぱく質摂取量を推奨している. さらに最近, 高たんぱく質食が腎予後に悪影響を与えるとした複数の報告を踏まえ, ‘High-protein diet is bad for kidney health: unleashing the taboo’と題して、たんぱく質制限の有用性をあらためて見直すべきとする総説が報告された (Kalantar-Zadeh K, et al. Nephrol Dial Transplant, 2020). 一方で近年, 高齢者を中心にサルコペニアやフレイルが社会的にも大きな問題となってきており, 2019年には新しいサルコペニアの診断基準が発表された. そのような流れの中で, 高齢糖尿病患者における食事療法に対する新しい考え方 (糖尿病診療ガイドライン2019)が発表され, また, CKD患者に対してもそれらを念頭においたガイドラインや提言がなされている (腎臓リハビリテーションガイドライン, サルコペニア・フレイルを合併した保存期CKDの食事療法の提言). 本講演ではそれらの報告も踏まえ, 高齢のCKD, DKD患者における食事療法(特にたんぱく質制限)についても, 考察してみたい. |