登録番号: | 10118 |
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演題番号: | W5-3 |
発表日: | 2020/08/20 |
時刻: | 14:00〜16:00 |
会場: | 第12会場(ノース 4階 G403+G404) |
発表セッション記号: | 31 |
発表セッション名: | ワークショップ5 よく分からないCKD/DKD栄養指導実践:Pros and Cons |
発表セッションサブタイトル: | |
座長名: | 鈴木 芳樹、菅野 義彦 |
座長所属: | 新潟大学保健管理センター、東京医科大学腎臓内科学分野 |
和田 健彦1
1東海大学腎内分泌代謝内科
保存期CKD患者に対する食事療法をはじめとする生活指導は、薬物療法と並んでCKD診療の両輪をなす。CKDの原疾患として糖尿病や高血圧が多くを占める現況において、食事療法のポイントは多岐に渡るが、この中で従来、一般的なCKDの進行抑制や腎代替療法遅延を目的として蛋白質摂取制限が行われてきた。この理論的背景としては、糸球体過剰濾過による腎障害進展を抑制することや、尿毒症性物質の蓄積を防止することが挙げられる。 一方で、世界に例を見ない高齢化が進行するわが国の臨床の現場において、特に問題となっているのはサルコペニアとフレイルである。これらの発症に関わる重要な因子の1つとして蛋白質摂取量不足が挙げられ、その予防・改善には十分な蛋白質摂取が有効であると考えられているが、これはCKD診療における蛋白質摂取制限と逆の方向である。 わが国のCKD患者の年齢分布も高齢の方向へシフトしている現在、サルコペニアやフレイルを合併しているCKD患者の割合は増加の一途を辿っている。この状況下で、現在推奨されている食事療法の基準を画一的に適用することの問題点が指摘されるだけでなく、食事療法を見直す時期に来ているとの意見もある。本ワークショップでは、蛋白質摂取制限を行うべきでないという立場から、CKD患者における蛋白質摂取制限が引き起こす問題について述べつつ、議論の材料となるような話題を提供したい。 |