登録番号: | 10150 |
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演題番号: | W5-2 |
発表日: | 2020/08/20 |
時刻: | 14:00〜16:00 |
会場: | 第12会場(ノース 4階 G403+G404) |
発表セッション記号: | 31 |
発表セッション名: | ワークショップ5 よく分からないCKD/DKD栄養指導実践:Pros and Cons |
発表セッションサブタイトル: | |
座長名: | 鈴木 芳樹、菅野 義彦 |
座長所属: | 新潟大学保健管理センター、東京医科大学腎臓内科学分野 |
安田 宜成1、丸山 彰一1
1名古屋大学大学院医学系研究科循環器・腎臓・糖尿病(CKD)先進診療システム学寄附講座・腎臓内科
たんぱく質摂取制限は腎臓病に特徴的であるが、実践が難しい食事療法である。たんぱく質摂取制限は糸球体過剰濾過を軽減し、高窒素血症や尿毒症症状、代謝性アシドーシスを改善することに加えて、たんぱく質摂取制限そのものがカリウムやリンの摂取制限となる。CKD診療ガイドラインではCKDの進行を抑制するためにたんぱく質摂取量を制限することを推奨している。 しかし不適切なたんぱく質摂取制限は低栄養をまねき、有害となる。CKD患者の多くは高齢者で、サルコペニア合併が少なくない。サルコペニアの予防・改善には十分なたんぱく質摂取が必要であるため、「サルコペニア・フレイルを合併した保存期CKDの食事療法の提言」では「CKDステージG3では、たんぱく質摂取制限の緩和を検討」し、タンパク質摂取量の上限の目安として1.3g/kgBW/日が示された。 食生活の欧米化などから、たんぱく質摂取量は増加し、平成29年度国民健康・栄養調査では、たんぱく質摂取量は70〜79歳で男性1.25±0.36、女性1.33±0.40、80歳以上で男性1.20±0.41、女性1.25±0.41 g/kgBW/日とCKDステージG3の上限目安を超える場合も少なくない。高齢CKD患者では、24時間蓄尿や食事記録法でたんぱく質摂取量を評価し、病態に応じてたんぱく質摂取制限を行うことが大切である。 たんぱく質摂取制限を含む食事療法では、知識と経験を有する管理栄養士の協力が不可欠である。名大病院ではCKD診療連携外来で24時間蓄尿を行い、管理栄養士による食事指導を含むチーム医療を実践している。さらに腎臓病療養指導士を活用し、かかりつけ医や調剤薬局での食事指導に取り組んでいる。 本シンポジウムではProsという観点から、たんぱく質摂取制限の重要性をまとめる。 |