登録番号: | 20123 |
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演題番号: | P-121 |
発表日: | |
時刻: | 〜 |
会場: | |
発表セッション記号: | 076 |
発表セッション名: | 慢性腎不全(臨床) ポスター |
発表セッションサブタイトル: | |
座長名: | 、 |
座長所属: | 、 |
多賀谷 知輝1、尾形 宗士郎1、高橋 和男1、林 宏樹1、小出 滋久1、稲熊 大城1、長谷川 みどり1、坪井 直毅1、湯澤 由紀夫1
1藤田医科大学腎臓内科学
【背景】TLVはAKIを来しにくい心不全治療薬であり,急性・慢性心不全ガイドラインにおいてMindsグレードB(rEF),C1(pEF)で投与が推奨されている.心不全は高率にCKDを合併するが,高度の腎機能低下を伴う心不全(腎性浮腫)に対する知見は乏しい.【対象と方法】本学で2012-19年に入院を要した腎性浮腫患者の後ろ向きコホートを用い,治療強化薬剤によりフロセミド(FUR)群とTLV群に分け,短期的な薬理作用と長期予後を検討した.【結果】対象者199例は71±13歳, UP5.7±5.0g/gCr, eGFR18±14ml/m/1.73m2, Alb2.8±0.7mg/dl, 観察期間2.4±2.0年であった.TLV群(n=80)はFUR群(n=119)に比し強化前FURが高用量で(134 vs 44mg/日,p<0.001),遅れて治療強化された(入院から5.5 vs 1.8日, p<0.001).TLV群で尿量は多く, Na高値, K高値, Na-Cl低値で推移し,AKI発症のORは 0.32 (0.16-0.63), p=0.001であった.腎性浮腫による再入院はTLV群, FUR群の順に45%, 50%, RRT導入:89%, 92%, 3P-MACE発症:7.5%, 15%, 全死亡:24%, 23%で, TLV群のFUR群に対するHRは各々1.04 (0.63-1.73), 0.87 (0.53-1.41), 0.63 (0.21-1.86), 1.56 (0.75-3.25)と有意差がなかった.【考察】TLVは腎性浮腫に対してもaquareticとして特徴的な薬理作用を発揮し,AKIを来しにくい.入院を要する腎性浮腫は極めて予後不良の一群であり,より早期からTLV導入を行うなど,さらなる検討が望まれる. |