第63回日本腎臓学会学術総会


登録番号:20155
演題番号:P-046
発表日:
時刻:
会場:
発表セッション記号:071
発表セッション名:一次性糸球体疾患 ポスター
発表セッションサブタイトル:
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小児IgA腎症におけるプレドニゾロン (PSL)+ミゾリビン+RA系阻害薬3剤治療の有用性の検討

島 友子1、中西 浩一2、浜 武継1、向山 弘展1、田中 侑1、吉川 徳茂1

1和歌山県立医科大学小児科、2琉球大学小児科

【背景】PSL+ミゾリビン+ワーファリン+ジピリダモールによる4剤治療は、PSL+ミゾリビンの2剤治療に較べ蛋白尿消失率は勝るが(88.2% vs. 75.9%、p=0.04)、治療後硬化糸球体の増加を認め、ワーファリンの血管石灰化作用の影響が考えられた。又、2000年代よりRA系阻害薬が小児IgA腎症の治療に幅広く使用されるようになり、PSL+ブレディニン+RA系阻害薬による3剤治療の有用性が考慮された。
【目的】3剤治療の効果を明らかにする事。
【方法】2001年4月から2017年3月までに新規発症し腎生検でびまん性メサンギウム増殖を示す重症型小児IgA腎症と診断、4剤治療の12例と3剤治療の12例を後方視的に検討した。
【結果】2群の治療開始時の臨床所見に差はなく、発見から腎生検までの期間は共に中央値約2か月だったが、病理所見については有意に3剤治療群でM1の病変が少なく、E1の病変が多く、T1の病変が少なかった。蛋白尿消失率は3剤治療が4剤治療に勝り(100% vs. 91.7%、p=0.04)、3剤治療群が早期に尿蛋白消失に至った(3.2月 vs. 5.4月、p=0.21)。
【考察・結論】3剤治療は早期に尿蛋白が消失しPSL投与期間を短縮できる可能性があるが、本検討では症例数が少なく両群の診断時所見にばらつきがあり、更なる症例の蓄積が必要である。