登録番号: | 20273 |
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演題番号: | O-176 |
発表日: | |
時刻: | 〜 |
会場: | |
発表セッション記号: | 035 |
発表セッション名: | CKD基礎5 |
発表セッションサブタイトル: | |
座長名: | 、 |
座長所属: | 、 |
中野 武大1、渡邊 博志1、田中 翔馬1、今福 匡史1、深川 雅史2、丸山 徹1
1熊本大学薬学部薬剤学分野、2東海大学腎内分泌代謝内科
【背景】脂肪組織由来の炎症がCKD進展のリスク因子として注目されているが、CKD病態下における脂肪組織炎症の分子機構については不明な点が多い。これまで我々は、尿毒症物質の一つであるインドキシル硫酸(IS)が尿細管上皮細胞、血管内皮・平滑筋細胞並びに筋肉細胞の炎症を惹起することを報告した。本研究では、脂肪組織炎症におけるISの関与について検討した。【方法】5/6腎摘(Nx)マウスと脂肪細胞へ分化誘導した3T3-L1細胞を用いた。【結果】5/6Nxマウスの脂肪組織ではIS蓄積に加え、白血球遊走能を有するMCP-1発現上昇、マクロファージ浸潤、炎症性サイトカインTNF-α発現上昇が観察された。一方、AST-120の投与によって脂肪組織へのIS蓄積抑制に伴い、上述した脂肪組織炎症は抑制された。分化誘導した3T3-L1細胞へ各種尿毒症物質を添加したところ、IS添加時においてMCP-1発現の高い上昇が観察された。さらに、OAT阻害剤やNADPH oxidase阻害剤などを用いた検討により、ISはOAT/NADPH oxidase/ROSを介してMCP-1発現上昇を促すことが明らかとなった。【結論】CKD時に蓄積するISは脂肪組織の炎症を惹起することが示された。また、AST-120の投与はISが誘発する脂肪組織炎症に対して有用である可能性が示唆された。 |