第63回日本腎臓学会学術総会


登録番号:20291
演題番号:P-129
発表日:
時刻:
会場:
発表セッション記号:076
発表セッション名:慢性腎不全(臨床) ポスター
発表セッションサブタイトル:
座長名:
座長所属:

保存期慢性腎臓病(NDD-CKD)に伴う貧血患者におけるバダデュスタットの有効性及び安全性(国内第III相試験)

南学 正臣1、近藤 和興2、小門 善正2、植田 喜一郎2、金子 玄樹2、丹代 翼2、河口 裕2、小松 康宏3

1東京大学大学院医学系研究科、2田辺三菱製薬株式会社、3群馬大学大学院医学系研究科

【目的】日本人のNDD-CKDに伴う貧血患者(ESA使用患者および非使用患者)を対象に,HIF-PH阻害薬バダデュスタットの有効性及び安全性について,ダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)を対照薬として評価した.
【方法】第III相,無作為化,オープンラベル,実薬対照比較試験
【結果】304名のNDD-CKD患者を本剤群または対照薬群に割付け,用量調節アルゴリズムに従い52週間投与した.主要評価項目である20週及び24週の平均Hb値は,本剤群11.66 g/dL(95%信頼区間11.49,11.84),対照薬群11.93 g/dL(11.76,12.10)で,いずれも目標範囲内(11.0〜13.0 g/dL)であった.両群の平均Hb値の差は-0.26 g/dL(-0.50,-0.02)で,95%信頼区間の下限値が非劣性マージンである-0.75 g/dL以上であったことから,本剤の対照薬に対する非劣性が検証された.また,本剤群の平均Hb値は8週以降52週まで目標範囲内に維持された.更に,鉄関連指標の変動から,本剤投与による鉄利用能の改善が示唆された.52週間の治療期間を通じて,本剤投与による大きな安全性の懸念は認められなかった.
【結論】日本人のNDD-CKDに伴う貧血患者に対する本剤の有効性及び安全性が示された.