第63回日本腎臓学会学術総会


登録番号:20311
演題番号:P-183
発表日:
時刻:
会場:
発表セッション記号:078
発表セッション名:糖尿病性腎症(基礎) ポスター
発表セッションサブタイトル:
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GLP-1受容体作動薬による糖尿病性腎臓病の腎保護効果とサルコペニア抑制効果の検討

山田 将平1、田邉 淳1、小倉 裕司2、菅谷 健1、大畑 敬一1、永井 義夫3、市川 大介1、星野 誠子4、木村 健二郎5、柴垣 有吾1、池森 敦子4

1聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科、2聖マリアンナ医科大学 生理学、3聖マリアンナ医科大学 代謝・内分泌内科、4聖マリアンナ医科大学 解剖学、5JCHO東京高輪病院

2型糖尿病は, 糖尿病性腎臓病(DKD)に加え, サルコペニアを高率に合併する. 本研究では, GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)のDKDおよびサルコペニアに対する進行抑制効果を検証した.【方法】2型糖尿病モデルラット(SDT fatty rat)を用い, GLP-1RAを8〜16週齢の期間投与し, 16週齢で尿, 血清, 腎臓, 下肢骨格筋(ヒラメ筋、長趾伸筋)を採取した.【結果】GLP-1RA投与群では, 非投与群と比較し, 体重は同程度であったが, 有意な餌摂取量低下, 血圧低下, 血糖低下, 血清インスリン増加, 尿中マーカー(アルブミン, L-FABP, KIM-1)の低下を認めた. 腎組織では, GLP-1RA投与により, 糸球体硬化(PAS染色, type IVコラーゲン), 間質線維化(type Iコラーゲン)が有意に軽減され, eNOSリン酸化の低下が有意に抑制された, サルコペニアに関しては, 筋重量や筋横断線維面積(type 1, type 2bミオシン)は同程度であったが, 筋力はGLP-1RA投与により, 有意に高値であった.【結論】2型糖尿病において, GLP-1RAは, DKDおよびサルコペニアの進行を抑制する可能性がある.