第63回日本腎臓学会学術総会


登録番号:20326
演題番号:O-072
発表日:
時刻:
会場:
発表セッション記号:015
発表セッション名:ネフローゼ症候群1
発表セッションサブタイトル:
座長名:
座長所属:

成人ネフローゼ症候群に対するリツキシマブ反復投与法の効果と安全性について

瀬戸 建1、井上 勉1、友利 浩司1、小野 淳1、天野 博明1、渡邊 裕輔1、岡田 浩一1

1埼玉医科大学腎臓内科

【目的】成人頻回再発型およびステロイド依存性ネフローゼ症候群に対するリツキシマブ(RTX)の効果を検討する。【対象と方法】当施設に通院中の17例(男性9例、平均年齢は37±15歳)。RTX375mg/m2単回投与を6か月毎に計5回・2年間おこない、投与中および終了後の再発と併用薬の使用量、CD19、CD20陽性細胞数の経過を検討した。【結果】RTX導入時からの観察期間の中央値は43か月(11-54か月)、5回のRTX投与を終了した症例は14例であった。CD19陽性細胞はRTX投与3-6か月目で5細胞未満/mm3となり、終了後も12か月間は枯渇状態でが継続した。再発頻度は導入前0.93回/患者・年、治療期間中0.11回/患者・年と減少し、終了後も0.06回/患者・年と有意に再発が抑制さた。プレドニゾロン使用量の中央値は、治療前7.65mg/日、終了後は1.89mg/日であり、有意に減量されていた。調査期間中にinfusion reactionや、RTX治療の中止に至る有害事象はなかった。【考察】本治療プロトコルは、ネフローゼ症候群の再発抑制とプレドニン等免疫抑制薬の減量に有効であった。しかし、治療期間中に再発する症例もあり、全B細胞数のみでは臨床経過を予見することは困難であるため、さらに有効なバイオマーカーの検討が必要である。