第63回日本腎臓学会学術総会


登録番号:20412
演題番号:P-165
発表日:
時刻:
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発表セッション記号:077
発表セッション名:慢性腎不全(基礎) ポスター
発表セッションサブタイトル:
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慢性腎臓病においてインドキシル硫酸はミネラルコルチコイド受容体活性化をきたす

工藤 明子1、福田 顕弘1、鈴木 美穂1、青木 宏平1、福長 直也1、後藤 孔郎1、柴田 洋孝1

1大分大学内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座

【背景】インドキシル硫酸(IS)は慢性腎臓病(CKD)の進行に関連する尿毒素であり、ミネラルコルチコイド受容体(MR)の過剰な活性化もCKD進行に重要な役割を果たしているが,両者の関連性は不明である。
【方法】9週齢のCKDモデルラット(5/6腎摘)を作成し,sham群,CKD群,CKD+AST-120投与群に分け,13週齢における血液,尿,腎組織を評価した。また,COS-7細胞にMRおよびMR応答性レポータープラスミドをトランスフェクションし,各種条件下でのMR活性化をルシフェラーゼアッセイおよびWesternblotで検討した。
【結果】CKD群でIS,尿蛋白が有意に増加し,CKD+AST-120群にてISは有意に減少した。腎組織におけるMR標的遺伝子のSGK-1 mRNAおよび蛋白レベルは、CKD群で有意に増加し,CKD+AST-120群で抑制された。次に,COS-7細胞においてIS(500μM)添加によりMR転写活性はaldo存在化で1.6倍,非存在化で2倍に増強され,MR蛋白レベルも1.4倍に増加した(p<0.05)。これらのMR転写活性化およびMR蛋白レベル上昇は抗酸化薬であるαリポ酸の共処置により有意に抑制された.
【結論】CKDにおけるMR活性化の一部はISを介して惹き起こされ,その機序として酸化ストレスの関与が示唆された。