登録番号: | 20554 |
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演題番号: | P-057 |
発表日: | |
時刻: | 〜 |
会場: | |
発表セッション記号: | 071 |
発表セッション名: | 一次性糸球体疾患 ポスター |
発表セッションサブタイトル: | |
座長名: | 、 |
座長所属: | 、 |
伊藤 千晴1、中野 穣1、渡辺 裕1、鷲野 将也1、新城 響1、大塚 康洋1、武田 朝美1
1名古屋第二赤十字病院
特発性膜性腎症(iMN)の治療において、免疫抑制療法のレジメンやその長期予後については不明な点が多い。当院のiMN患者の多くは、プレドニゾロン(PSL)とシクロスポリン(CYA)の併用療法で治療されており、中長期的な治療効果を評価した。<BR>方法:2000年1月から2014年12月までに腎生検で診断した102例の膜性腎症(MN)の内、二次性のMNを除外しiMNは43例認め、臨床結果について後方視的に比較検討した。<BR>結果:保存加療群は4例、PSL単独群は5例、CYA併用群が34例。CYAは1日1回投与され、CYA投与後4時間の濃度-時間曲線下面積を測定し調整した。CYAの使用期間は194.7±848.9日で、観察期間は3026.4±1608.0日。併用群の34例中、26例が寛解し10例が再発を認めた。PSL単独群と併用群で、年齢、性別、尿蛋白、血清Cre値、寛解率に有意な差は認めなかった。尿蛋白はPSL群よりも併用群の方が多い傾向があった(p=0.0679)。両群において5年後の著明な腎機能低下は認めず、感染症の合併は認めなかった。<BR>結論:CYAの使用期間が長期に及んだにも関わらず、感染症の合併や腎機能低下は認めなかった。適切なCYA併用療法により安全に治療を行うことができ、治療が奏功し得た。併用療法の有効性の十分な検討にはさらなるデータ収集と研究が必要である。 |