登録番号: | 20607 |
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演題番号: | O-078 |
発表日: | |
時刻: | 〜 |
会場: | |
発表セッション記号: | 016 |
発表セッション名: | ネフローゼ症候群2 |
発表セッションサブタイトル: | |
座長名: | 、 |
座長所属: | 、 |
宇田川 智宏1、奥津 美夏1、岡田 麻理2、多田 憲正3、田中 絵里子1、元吉 八重子1
1東京医科歯科大学 小児科、2武蔵野赤十字病院 、3土浦協同病院
【緒言】1カ月間のステロイド治療後にもネフローゼ症候群が続く場合はステロイド抵抗性の診断となる(診療ガイドライン2017)。抵抗性の中に、初期治療中に寛解を経て蛋白尿が再増加する"一過性寛解"群が存在し、診断や治療に苦慮する。過去報告がない一過性寛解後の抵抗性群の臨床像について解析した。【方法】2008年1月から2019年12月までに、入院歴のある小児ネフローゼ症候群患者を診療録から後方視的に検討した。プレドニゾロンを4週間以上連日投与後も蛋白尿が持続する症例をス剤抵抗性と診断した。Fisher正確検定を用いて、p < 0.05を有意とした。【結果】ネフローゼ症候群97例中23例(25.7%)が初発治療抵抗性で、23例中寛解歴のない"典型群"が13例、一過性寛解群は10例(43.5%)で、この10例の平均発症年齢は3.4歳(中央値2.0歳)、平均Selectivity Index = 0.028で、全例シクロスポリン±ステロイドパルス追加投与により完全寛解した。一過性寛解群は全例微小変化で、13例中5例がFSGSの典型群より有意に少なく(p = 0.046)、観察期間中に末期腎不全に至る例はなかった。【結語】抵抗性ネフローゼ症候群のうち一過性寛解群は典型群より組織像や予後はよく、新たな層別化のための診断基準が望まれた。 |