第63回日本腎臓学会学術総会


登録番号:20676
演題番号:P-424
発表日:
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発表セッション記号:101
発表セッション名:臨床疫学・臨床研究:CKD ポスター
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CKD患者における認知機能低下の同定に有用な臨床指標の探索的検討

尾形 宗士郎1、林 宏樹1、高橋 和夫1、明石 優美2、小出 滋久1、坪井 直毅1、稲熊 大城1、長谷川 みどり1、湯澤 由紀夫1

1藤田医科大学腎臓内科学、2藤田医科大学看護学科

【背景】CKDは認知機能低下のリスク要因と報告されている. 本研究はCKD患者を対象に認知機能低下の同定に有用な指標を探索的に検討する. 【方法】本学腎臓内科のCKD患者を対象に横断研究を実施した. 認知機能得点をTICS-Jで評価し, 臨床指標(年齢, 性別, BMI, CKDステージ, eGFR, 透析の有無, 栄養評価[SGA], 血清指標[Na, K, Cl等], ADL等々)を電子カルテから抽出した. 認知機能得点と探索変数の関連を一般化線形モデル(GLM)により検討した. 【結果】49名のCKD患者(平均年齢 [SD]:71.3 [9.1]歳, 女性31%, 平均eGFR[SD]:14.7[13.4]ml/min/1.73m2)を解析対象とした. 性別, BMI, CKDステージ, eGFR, 透析有無, SGA, Na, Cl, ADLは認知機能得点と有意な関連はなかった. 血清K濃度のsecond tertile群 (4.1-4.5 mEq/L)と比し, first tertile群(<4.1 mEq/L)は有意に認知機能得点が低く(調整済み平均差[95% CI]=-3.1[-6.1, -0.2], p=0.04)で, third tirtile群(>4.5 mEq/L)とは有意差はなかった. 【考察】症例数が少なく統計学パワーの低さから低認知機能の同定に有用な変数を検出できなかった可能性がある. 血清K濃度に影響を及ぼすRAS阻害薬・フロセミドの服薬や低栄養状態を考慮して, 血清K低濃度群の低認知機能得点を解釈する必要がある.