第65回日本腎臓学会学術総会


登録番号:10177
演題番号:WS2-4
発表日:2022/06/10
時刻:14:00〜15:30
会場:第9会場(神戸国際展示場2号館 3階 3A会議室)
発表セッション記号:18
発表セッション名:<プログラム委員会企画1>ワークショップ2 病理形態から展望するCOVID-19感染症に関連する腎障害
発表セッションサブタイトル:
座長名:小池 淳樹、清水 章
座長所属:聖マリアンナ医科大学病理学(診断病理分野)、日本医科大学解析人体病理学

SARS-CoV-2ワクチンとIgA腎症

岩崎 沙理1、辻 隆裕1

1市立札幌病院 病理診断科

SARS-CoV-2のパンデミックに伴い、本邦ではこれまでに経験のないmRNAワクチンの投与が行われてきた。mRNAワクチンは、スパイクタンパク質をコードするmRNAがlipid nanoparticleに包まれた構造物である。接種後に体細胞に取り込まれ、小胞体およびリボソームでmRNAは翻訳されてウイルス蛋白粒子となり、細胞表面に輸送され発現すると、それに対する抗体を誘導する。SARS-CoV-2 mRNAワクチン接種後には、これまでの他のワクチン後と同様にネフローゼ症候群/MCDの報告もあるものの、接種後数日で肉眼的血尿を示し、IgA腎症と診断される症例が少なくないことが分かってきている。当院で経験したコロナワクチン関連腎障害は6例あるが、うち4例はIgA腎症であった。いずれもワクチン接種前にIgA腎症の診断はなされていなかったが、ワクチン接種後数日で肉眼的血尿、その後も蛋白尿の持続などがあり、腎生検が行われ診断が確定している。ワクチン接種以前の検尿異常は3例にあり、腎生検ではいずれの症例も慢性病変を伴っていた。今回は当院で経験された症例をご紹介するのとともに、ワクチン関連IgA腎症の新規発症や増悪の報告例についてreviewしたい。ワクチン関連IgA腎症は、ワクチン接種後に早期に症状を示すことから、もともと疾患のベースがある人が、ワクチンによって顕在化するメカニズムが考慮されている。