第65回日本腎臓学会学術総会


登録番号:20457
演題番号:P-331
発表日:2022/06/12
時刻:11:00〜12:15
会場:ポスター会場(神戸国際展示場2号館 1階 コンベンションホール北)
発表セッション記号:80
発表セッション名:COVID-19ワクチンと腎疾患 ポスター
発表セッションサブタイトル:
座長名:渡邉 健太郎、
座長所属:神戸大学大学院腎臓内科/腎・血液浄化センター、

COVID-19 ワクチンとIgA腎症:系統的レビュー

佐藤 光博1、眞田 覚1

1JCHO仙台病院腎臓疾患臨床研究センター

【目的】COVID-19 ワクチンとIgA腎症との関連につき系統的レビューを行った。
【方法】 COVID-19 ワクチンとIgA腎症との関連を報告した症例報告を検索し、臨床的特徴につきデータ抽出を行った。
【結果】 4件の症例報告と5件の症例集積(計15名)を対象に系統的レビューを行った。年齢と性別の記載のある13名の平均は32歳、男性比は38.5%であった。過去に診断されていた症例の増悪は9名(60%)、新規診断は6名(40%)でその半数でワクチン接種前より尿所見を認めていた。全例でmRNAワクチンが接種され(モデルナ製6名、ファイザー製9名)、発症時の接種回数は1回目後2名(13.3%)、2回目後13名(86.7%)であった。症状は肉眼的血尿を全例で認め、尿蛋白の出現や増加を9例(60%)、AKIを5例(33.3%)に伴っていた。肉眼的血尿を認めた時期は接種後一日以内が9例(60%)、二日以内が5例(33.3%)、5日目が1例(6.7%)であった。12例(80%)が経過観察のみであったが、3例(20%)で免疫抑制療法が施行されていた。予後は肉眼的血尿については数日から1週以内に改善も、尿蛋白や腎機能については改善に数週から月単位を要する症例も認められた。
【結論】接種後数日以内に肉眼的血尿を呈し保存療法のみで短期間に軽快する症例が多いが、一部では免疫抑制療法が施行され尿蛋白や腎機能の改善に時間を要していた。