第66回日本腎臓学会学術総会


登録番号:20052
演題番号:P-208
発表日:2023/06/11
時刻:11:00〜12:15
会場:ポスター会場(3階 303+304)
発表セッション記号:090
発表セッション名:CKD(臨床)3 ポスター
発表セッションサブタイトル:
座長名:高野 秀樹、
座長所属:国立国際医療研究センター病院腎臓内科、

D-アラニンは重症インフルエンザ感染症とCOVID-19のバイオマーカーであり、かつ治療応用性がある

木村 友則1、浅賀 正充1、内海 大和1、保富 康宏1、木村 志保子1、高畠 義嗣2、高橋 篤史2、猪阪 善隆2

1医薬基盤・健康・栄養研究所、2大阪大学

背景
COVID-19のアウトブレーク後、重症度を予測するバイオマーカーと、予後を改善する支持療法は不十分であった。D-アミノ酸はアミノ酸の稀な光学異性体であり、近年、腎臓のマーカーとして同定されてきた。本検討ではD-アミノ酸のウイスル感染症での意義について探索した。
方法
重症ウイルス感染モデルマウスと、人工呼吸器ないしECMOで治療中の重症COVID-19患者の血中D-アミノ酸濃度を評価した。D-アラニンの補充効果は、インフルエンザAウイルス(IAV) 感染モデル及びCOVID-19感染モデルで検討した。
結果
IAVで感染したマウスモデル及び重症COVID-19患者において、D-アラニンを含むD-アミノ酸の血中濃度は著明に低下した。IAV感染モデル及びCOVID-19感染モデルにおいて、D-アラニンを投与すると臨床的重症度が改善した。中でも、D-アラニン投与により血中D-アラニン濃度を維持できたマウスはより予後が良かった。
結論
重症のウイスル感染症において、D-アラニンを含むD-アミノ酸は低下する一方、D-アラニンの補充には治療効果があった。D-アラニンは重症ウイスル感染症において、バイオマーカー及び治療法として高い可能性がある。