第54回日本腎臓学会東部学術大会


登録番号:20353
演題番号:P-054
発表日:2024/09/28
時刻:14:30〜15:30
会場:ポスター会場
発表セッション記号:28
発表セッション名:高血圧・凝固異常1 ポスター
発表セッションサブタイトル:
座長名:森 建文、
座長所属:東北医科薬科大学 腎臓内分泌内科、

原発性アルドステロン症加療中に腎血管性高血圧を診断・治療し得た難治性高血圧の一例

石垣 駿1、豊原 敬文1、石塚  悠奨1、渡邉 駿1、菊地 晃一1、吉田 舞1、牧野 塁1、大江 佑治1、手塚 雄太1、小野 美澄1、宮崎 真理子1、片桐 秀樹1、田中 哲洋1

1東北大学病院

【症例】51歳男性。X-2年6月に血圧上昇の精査で当科に紹介となった(血圧189/127 mmHg)。血漿アルドステロン濃度(PAC) 11.12 ng/dL、活性レニン濃度(ARC) 1.59pg/mL、生理食塩水負荷試験で負荷後PAC 12.9ng/dLであり原発性アルドステロン症(PA)と診断、CTで左副腎に結節を認めた。副腎静脈サンプリングを施行し、左副腎摘除の適応と判断した。X-1年11月に左副腎摘除術を施行した。病理診断はCYP11B2染色を伴うアルドステロン産生腺腫であったが、術後も十分な降圧剤減量が得られず、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系阻害剤の投与がない状態で、ARCは30.8pg/mLと上昇した。一方で経過中の検査で左腎動脈狭窄を認め、腎血管性高血圧(RVH)の合併が疑われたことからX年2月に経皮的腎動脈形成術を施行したところ、さらに降圧剤の減量が得られARCも4.1pg/mLまで低下した。【考察】PAにRVHを合併した患者では片方の疾患を治療後も持続する高血圧を呈することがあるが、レニン活性に対して両疾患でお互いに干渉するためしばしば診断が困難である。難治性高血圧ではPAとRVHの合併も留意し、画像検査やホルモン推移を慎重に観察しながら診療を行う必要がある。