登録番号: | 20367 |
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演題番号: | O-043 |
発表日: | 2024/09/28 |
時刻: | 15:30〜16:30 |
会場: | 第5会場 |
発表セッション記号: | 08 |
発表セッション名: | TMA/合併症 |
発表セッションサブタイトル: | |
座長名: | 三瀬 直文、平野 景太 |
座長所属: | 社会福祉法人 三井記念病院、東京慈恵会医科大学附属第三病院 腎臓・高血圧内科 |
吉田 舞1、石塚 悠奨1、木之村 聡介1、野口 雄司1、金 沙織1、菊地 晃一1、大江 佑治1、岡本 好司1、豊原 敬文1、宮崎 真理子1、田中 哲洋1
1東北大学病院腎臓・高血圧内科
【症例】37歳, 女性【現病歴】妊娠40週で自然分娩した際に1940 g出血し, ショックとなった. 補液によりショックから回復したが, 産褥1日目に血小板数低下 (3.7万/μL) , 産褥2日目に急性腎不全 (Cr 3.47 mg/dL)となり, 当院に転院した. 産科DIC診断基準に該当せず, LDH高値, ハプトグロビンの低下を認め妊娠関連TMAとして同日より血漿交換を開始した. その後ADAMTS13活性は低下していないことから後天性TTPを否定し, 腎機能と血小板数の改善を認めたため産褥7日目で血漿交換を終了した. 産褥15日目に腎生検を行い, 結果は糸球体の管内細胞増殖や係蹄壁の二重化, 広範な急性尿細管壊死所見を認め, 二次性TMAを支持した. 再燃なく, 産褥17日目に退院した. 退院後にaHUS遺伝子検査陰性と抗H因子抗体陰性が判明し, aHUSは否定された.【考察】妊娠関連TMAには二次性TMAのほか, 後天性TTPやaHUSが含まれる. いずれも発症頻度は低いが, 急性期の治療が予後に直結するため積極的な治療が求められる. また急性経過を辿り, 病理組織所見を得るのが困難であることも多い.【結語】緊急血漿交換を含む集学的治療により腎機能が改善し, 臨床経過や病理組織所見から大量出血による二次性TMAと診断した一例を経験した. |