平木 民子1
1日本赤十字広島看護大学
本研究目的は、実習指導上の問題解決法を類型化することによって、看護学実習における看護教員の指導力形成の契機について検討するための一資料を得ることである。研究協力の同意が得られた看護専門学校1 0校の看護教員4 2名を対象として、半構成的面接によるデータ収集を行った。データの内容分析の結果、問題解決法は、1)実習指導上の問題を解決しながら指導力を獲得していた〈自律解決型〉と、2)問題状況の変化が見られなかった次の4つの解決法に大別された。a)先輩教員の指導方法を模倣して解決を試みる〈模倣型〉、b)自分の指導実践を反省しているが解決方法が見つからない〈内省ゆきづまり型〉、c)問題の原因は自分以外にあると認識する〈他罰ゆきづまり型〉、d)漠然とした感覚で問題を抱えたまま経験を続ける〈漠然型〉であった。実習指導上の問題の特徴が複雑性と個別性をもつがゆえに、指導力形成のためには、看護教員の実践を振り返る力と、それを支援する共同の必要性が示唆された。 |