本庄 恵子1、黒田 裕子1、西村 ユミ1、佐々木 幾美1、上澤 一葉1、船山 美和子2
1日本赤十字看護大学、2日本赤十字看護大学大学院
本研究は、望ましいアウトカムを導く看護者の行為に焦点を当てて、慢性期患者との相互作用場面における看護者の即座の行為を明らかにすることを目的とした。調査協力への承諾を得た臨床経験5年以上の看護者5名と慢性期患者5名を対象とした。データ収集は、V T R撮影を含めた参加観察法と面接法を用いて行い、内容を質的に分析した。その結果、望ましいアウトカムを導く看護者の即座の行為の特徴として、【今ここでの重みづけ】と【タイミングをつかんで押すこと・引くこと】が見出された。【今ここでの重みづけ】に含まれる即座の行為には、語調を変える、視線を向ける、手でふれる等があった。【タイミングをつかんで押すこと・引くこと】に含まれる即座の行為には、微妙な変化を捉えて返す等があった。【今ここでの重みづけ】は対象者の関心を引き寄せ、【タイミングをつかんで押すこと・引くこと】は協働的な変化への誘いとなっていた。 |