菅原 よしえ1、齋田 トキ子2、西條 泰子3、阿部 清美3、渋谷 多佳子3、木村 由美3
1兵庫県立看護大学大学院修士課程、2東北大学医学部医療管理学教室、3石巻赤十字病院
本研究は、がん告知後の患者における病状理解の程度と、それに伴う感情状態を把握することを目的に行った。病状理解の内容としては、病名、治療方法、今後の経過の3項目について面接を行い、感情状態の把握には、気分プロフィール検査(Profile of MoodS t a t e sの日本語版)を使用した。患者は39名で、乳がん、胃がん、甲状腺がんなどの診断を受けた患者であった。調査の結果、がん告知においては、患者自身が理解できたと感じていても、医師から説明された内容と患者が理解した内容の一部が、患者の約半数で異なることがわかった。また、がん告知後の患者の状況は、がんという脅威だけでなく様々な状況要因が重なり、感情状態に影響していることがうかがわれた。これらのことから、がん告知後の看護援助に若干の示唆を得ることができた。 |