杉田 久子1
1日本赤十字看護大学
急性心筋梗塞発症から集中治療期を終えるまでの病者の主体的体験を探求することを目的に、Grounded Theory Approachを用いた質的帰納的研究を行った。急性心筋梗塞を発症し緊急カテーテル治療後、集中治療室に滞在した43歳から70歳までの病者12名を研究参加者とし、参加観察法と半構成的面接法によりデータを収集した。分析の結果、急性心筋梗塞発症早期の病者の主体的体験は、<助けてほしい><助かるかもしれない><助かった><助かっていたい>の4つの位相が《助かること》を目指して時間的な順次性を伴いながら移行するプロセスであることが見出された。これらの体験の位相は、【支配】から【コントロール】へと変化する前向きな取り組みのある体験として示された。本研究結果から、脅かされた環境におかれた短期間の劇的な変化を遂げる病者への理解が促され、発症早期からの積極的な看護介入の必要性が示唆された。 |