北川 かほる1、岡崎 美智子2
1鳥取大学医学部保健学科、2島根大学医学部看護学科
本研究の目的は、障害児者の家族交流会のセルフヘルプ機能、および交流会参加者のセルフヘルプを支援する看護職の役割について検討することである。交流会中の発言内容を記録し、障害児の子育て関連発言をセルフヘルプの視点から持続比較分析による分類、抽象化を行った。その結果、4つの概念<経験・感情の開放>、<経験・感情の共有>、<役立つ情報の提供>、<会の運営>が抽出された。この概念中、<経験・感情の開放>、<経験・感情の共有>、<役立つ情報の提供>は、筆者が文献から見出したセルフヘルプ・グループの機能5点中の3点、《共通の体験をした人との出会い》、《感情の開放と共有》、《役立つ情報の取得》と一致した。つまり、一致したことは、共通の体験をした人と出会い、経験・感情の開放と経験・感情の共有ができ、役立つ情報の提供により、役立つ情報が取得できたことである。このことから、本交流会は3点のセルフヘルプ機能を有していることが明らかとなった。また、看護職の役割は、ファシリテーターを意図し、障害児者の親達とパートナーシップを築き、参加者が相互にセルフヘルプを発揮できるように会の運営を援助することが示唆された。 |