日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2005
巻 :5
号 :1
頁 :124〜130

血液疾患患者の特徴をふまえた排便コントロールのケア改善にむけて

矢島 朋子1、島田 夏子1、柳瀬 恭子1、天野 幹子1

1日本赤十字社医療センター

本研究の目的は、血液疾患患者の特徴を踏まえ、便秘やイレウスに対する排便コントロールケアの改善である。排便コントロールをする上での問題点を明らかにするために、事例検討と病棟スタッフを対象としたアンケート調査を行なった。その調査を踏まえて、下剤投与の標準オーダー表と便秘リスク評価表を作成した。排便コントロールをする上での問題点として、(1)血液疾患自体や治療による免疫力が低下している時期にトラブルが起こりやすい、(2)看護師の便秘に対する認識や対応が統一されていない、(3)初発患者は排便コントロールに対する関心が低い、という3点が挙げられた。対策として作成した下剤投与の標準オーダー表は、医師のオーダーを待つ時間の無駄や主治医によって対応が違うという混乱、看護師によって差がある下剤投与のタイミングを統一することができると考えた。また、便秘リスク評価表は、看護師のアセスメント能力を補い介入を統一することができると考えた。
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