柴田 佳代1、西 幸子1、水谷 聖子2
1名古屋第一赤十字病院、2日本赤十字豊田看護大学
転院に向けての具体的な介入を始めてまもなく家族から在宅で療養させたいと申し出があった。意識レベルIII−100、経管栄養・吸引など医療処置を伴う患者を転院予定から在宅に移行した看護を行った。なぜ転院の再確認後に家族から在宅移行の意思が表出されたのか、看護師の戸惑い、さらに、家族や看護師は作成したパンフレットをどのように活用したのかを中心に、家族の希望にそった看護内容を分析した実践報告である。 在宅に向け、(1)退院後の療養の場に対して、医療スタッフの意思統一を行い、家族のニーズに応じた柔軟な体制が整えられたこと。(2)介護者のニーズに応じてパンフレットを活用し、在宅療養における介護不安の軽減ができたこと。(3)入院期間中に社会資源を活用し、さらに他機関や訪問看護師らとの連携がスムーズに行えたこと。(4)介護者が入院滞在期間に看護師の行為を見て、ともに援助を行うことによって介護の理解度を高めていたこと、が明らかになった。 今後は、変化する医療改革制度、在宅支援に関する制度や知識などを学び、情報提供や他機関・他職種と連携できるマネージメント力、コーディネート力を培っていく必要がある。 |