佐藤 好子1、御園 日登美1
1水戸赤十字看護専門学校
この研究の目的は看護学生の学習体験としての援助者の用いる「共感」の認識の変化を明らかにすることであった。 研究参加者は、看護学生7名で、3年課程の2年次5日間の対人関係を重視した実習の終了後に半構成的面接を行い、データを収集した。面接の内容は対象者の了承を得てテープに録音し、遂語記録として、舟島らの面接分析フォーマットを用い、R. Cマッケイの患者と援助者のやりとりにおける共感のモデルとの関係から質的に分析した。分析の結果、看護学生の援助者の用いる共感への行動化を妨げている要因としての学習体験が「他者評価」という意識であることが示された。 また、看護学生が患者と真に向き合うことで、「他者認知」ができ、看護学生である自分自身が援助者として肯定される過程を経て始めて「自己認知」ができる。この過程が実習での認識の変化であり、共感の学習体験であるということが示された。 |