日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2006
巻 :6
号 :1
頁 :85〜93

精神障害者の在宅生活支援の効果と課題−利用者およびホームヘルパー双方からの評価を通して−

林 裕栄1

1埼玉県立大学 保健医療福祉学部 看護学科

精神障害者ホームヘルプサービスの支援の効果や課題を知るためには、支援者と利用者の双方からの情報を得る必要性を感じて以下の研究を行った。 精神障害者へのホームヘルパーの派遣について3名の精神障害者にインタビューを行ったところ、概ねホームヘルパーの支援に対する評価が高かった。ホームヘルパーは、一緒に日常生活の営みを行うだけでなく、生活上の相談相手にもなっており利用者の精神と生活の安定に寄与していた。さらにこれらの利用者を支援するホームヘルパー3名から支援の効果と課題を聞いたところ、2名のホームヘルパーは利用者に変化がみられ、支援の効果があると答えた。1名は、よくわからないので十分な評価が出来ないこと、さらに支援を行うにあたっての不全感をあげていた。これらの結果から、ホームヘルパー自身の障害特性のとらえ方の学習や第三者によるコンサルテーションがあれば認識が変化するのではないかと考えられた。
論文(PDF)を表示