船越谷 妙子1、森 美智子2
1浦河赤十字病院、2日本赤十字武蔵野短期大学
入院時に危険度の高い子どもをスケールによりスクリーニングし、看護過程の展開を家族と共に行うことが、転倒・転落事故防止になりうるかを検討した。 対象は、A病院に入院した小児患者と付き添い者117名と看護師15名である。研究方法は、(1)転倒・転落スケールを作成した。(2)次にそれに基づき転倒・転落の危険度有りの患児を判別し、看護過程に反映させた。その看護計画の立案実施に際しては、付き添い者と評価・修正を行った。(3)データ収集は、スケールの妥当性の検討には危険度無しの患児も含めて危険行動の有無を観察し、スケール活用の有効性の検討には対象にアンケート調査を行った。 結果は危険度有り群と危険度無し群では、転倒・転落事故またはニアミス、危険行動回数に有意差が見られ、スケールは危険度を把握するのに有効であった。また、スケールを用いた看護過程を付き添い者と共に展開することは、付き添い者や看護師の事故防止意識の向上につながった。転倒・転落危険度スケールを用いたケアは事故防止に有用といえる。 |