日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2007
巻 :7
号 :1
頁 :45〜57

若年妊婦の妊娠・分娩・育児期におけるケアニーズの分析−ドゥーラの役割の検討に向けて−

工藤 優子1、佐藤 愛2、新道 幸惠2、高田 昌代3、谷川 裕子3、西野 加代子4、宮本 昭子4

1弘前大学医学部附属病院、2青森県立保健大学、3神戸市看護大学、4弘前大学

妊娠期・分娩期・育児期におけるケアニーズを明らかにし、ドゥーラの役割を探ることである。16〜22歳の初産婦8名を対象に、妊娠期から育児期まで継続して半構造化面接法を用いてインタビューを行った結果、妊娠期のケアニーズには(1)妊娠を受容する、(2)妊娠中の生活を整える、(3)胎児への関心を高める、(4)親意識を高める、(5)分娩に対する準備を整える、(6)夫と新たな関係を築く、(7)両親との関係を調整する、(8)友人や近隣者との関係を調整するがあった。分娩期のケアニーズには(1)分娩時の心理的サポートを得る、(2)分娩時の身体的サポートを得る、(3)分娩体験の満足感をもつ、(4)医学的介入の必要性を理解する、(5)医学的介入の自己決定をする、(6)分娩時に自由に気持ちを伝えるがあった。育児期のケアニーズには(1)親としての自覚を高める、(2)子どもとの関係を築く、(3)育児のサポートを得る、(4)育児の不安に対処する、(5)育児技術を獲得する、(6)産後の生活を整える、(7)夫との絆を深める、(8)両親との絆を深めるがあった。これに対するドゥーラの役割には(1)傾聴する、(2)傍にいて共に体験する、(3)支持し励まし賞賛する、(4)他者との関係調整をするが考えられた。
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