吉田 みつ子1、川原 由佳里1、佐々木 幾美1、本庄 恵子1、田中 孝美1、奥田 清子1、森 祥子1、守田 美奈子1、村上 睦子1、川嶋 みどり1
1日本赤十字看護大学
本研究の目的は新卒看護師が就職後6ヵ月間に体験したヒヤリ・ハット/アクシデント体験と発生後の周囲の対応について明らかにすることである。対象者は76施設の新卒看護師492名であり、就職後に印象に残ったヒヤリ・ハット/アクシデント体験、体験後の周囲の対応、仕事継続に対する思いについて調査用紙を配布した。就職後に印象に残ったヒヤリ・ハット/アクシデント体験は、注射・点滴、与薬、体位・姿勢の保持・移動の順に多かった。回答者の約70%が就職後にそれらの技術を教えてもらっていたと回答したが、実際には62.8%の新卒看護師が危険の予測をまったくしておらず、具体的な場面で注意して危険を回避する行動をとるには至らない状況だった。ヒヤリ・ハット/アクシデント体験後、看護師や先輩看護師の対応は概ね支持的であったが、50.4%の回答者が「先輩看護師や他のスタッフに迷惑をかける自分が情けない」、42.9%が「自分は看護師の資質に欠けるのではないかと思った」と感じ、同じ職場で仕事を続けることや看護職の継続を迷う気持ちが生じていた。 |