殿城 友紀1、川原 由佳里1、山崎 裕二1、川嶋 みどり1
1日本赤十字看護大学
本研究の目的は、日本赤十字社の看護師等養成施設・赤十字病院の看護歴史資料の所蔵・保存・利用状況を明らかにすることである。日本赤十字社の看護師等養成施設・病院124施設に調査票を配布し、77施設より回収した。結果、これらの施設の多くが看護に関する資料を所蔵し、独自に収集・保管・利用していることが明らかにされた。しかし、人員不足・担当者の不在・予算・所蔵場所・知識不足の理由により十分な保存・利用がなされていない現状があった。近年、教育改革や施設の老朽化などから改組・統合・閉校・閉院などが進んでおり、歴史的に価値のある資料の廃棄・損傷・紛失などが懸念される。今後さらに調査を進め、歴史的に価値のある資料の保存に関する啓発を行うこと、史料の収集・保存・利用を有効に行うためのデータベース化や各施設間のネットワークづくりの必要性が示唆された。 |