日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2008
巻 :8
号 :1
頁 :60〜67

介護負担のある家族が家族内介護を継続する理由と背景

岡本 明子1

1昭和大学保健医療学部看護学科

 本研究の目的は、介護負担のある家族が、家族内介護を継続する理由を明らかにして、その背景にある意味を考察して記述することである。研究協力者は、サービス導入や施設入所の勧めに乗り気ではなく、家族内介護をしている者を対象とした。なかでも看護師が現状のままでは被介護者に不利益がある、または介護負担が増すとアセスメントした3名の家族とし、1人1回のインタビューを行なった。分析方法は、(1)家族内介護を継続する理由、サービス導入を受け入れたくない理由について語っている部分に着目しラベルを付け共通性のあるものを分類しコード化した。(2)コード化したものの中で、共通性のあるものをグルーピングしカテゴリー化した。(3)カテゴリー化したものをサブカテゴリー、データと共に記述した。 その結果、介護負担のある家族が家族内介護をする理由は、「自分を支えてくれる家族がいる」「他者を入れたくない」「経験基づく自負があり介入の必要を感じない」「自分にあったサービスがない」「介護しても好きなことができている」「被介護者の気持ちを汲む」という6つの理由があった。
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