日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2009
巻 :9
号 :1
頁 :10〜17

中学生の「命の大切さ」に対する意識助産師が行う性教育による考察

高谷 鼓1、植野 千尋1、八重樫 明子1

1北見赤十字病院 周産期母子センター

近年、若者の「命の大切さ」に対する意識が薄れていることが懸念されており、助産師が直接命の大切さを問いかけることは、中学生の「命の大切さ」に対する意識にどのような影響を与えるかを明らかにしたいと考えた。そこで助産師が性教育を行い、「命の大切さ」に対する意識に関する質問紙調査を実施した。その結果、授業を受けたことで自分の命の大切さを認識し、自己肯定感が高まった。これは日々生命誕生の場にいる助産師だからこそ、生徒に対して臨場感のある現実やその感動を伝え、そのすばらしさを伝えられたといえる。しかし、性教育バッシングや余裕のない授業枠のため、積極的に介入できない現状や、マイナスイメージをもった生徒へのフォローが困難な状況があることが研究の限界である。今後の課題として、助産師・保健師・学校教諭・家庭が連携することの必要性や、性差による具体的な受け止め方の違いを明らかにすることがあげられる。
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