大日向 陽子1、中村 美知子2
1日本赤十字社医療センター、2山梨大学大学院医学工学総合研究部
本研究は、外来通院中の壮年期糖尿病患者の気分、身体状態と食生活の特徴を知るために性別による共通点と相違点を分析し、食生活指導の展開と課題について示唆することを目的とした。男性15名、女性9 名を対象として、気分・自覚症状・血液検査・食生活調査を行った。女性のほうが「がっかりしている」「一人きりでさみしい」と感じる特徴があり、HbA1cは有意に高値、食生活では脂質、菓子類の過剰摂取が多かった。男女とも疲労感と摂取エネルギーは関連がみられ、女性は疲労感と脂質摂取量とも関連があった。男性は気分と自覚症状にほとんど関連はなく、疲労感とHbA1cなどの血液成分と関連があった。女性は疲労感と自覚症状に関連があり、抑うつ感とHbA1cに関連があった。男性の気分はHbA1cの変動の一指標となること、女性では自覚症状などの身体変化に着目した食生活指導(摂取エネルギー・脂質摂取調節)を行うことが有効であると考える。 |