増田 由実子1、西片 久美子1
1日本赤十字北海道看護大学
本報告では一人の学生が認知症患者との関わりから、学生がどのように認知症患者の自尊心を大切にする関わりを学び、実践していったのかを整理・分析し、教員の指導とともに検討した。学生の実習記録や教員の指導記録等をもとに、学生が自尊心について学んだと記述されている場面を取り上げ、自尊心について何をどう学んだかを分析した。学生は患者を多角的な視点から理解することの重要性を学び、患者の意志が十分に表出できるようかかわることで、患者の残存能力に気づくことができた。援助者が患者の言動をじっくりと待ち、それを大切にすることは、患者のもつ残存能力を最大限に発揮し、認知症患者の自尊心を大切にする関わりにつながることを学んだ。学生が認知症患者の自尊心を尊重したケアを理解・実践するために、教員は学生が患者を多角的に捉えられるようかかわることや、看護者としての役割モデルとなることが重要であると示唆された。 |