日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2010
巻 :10
号 :2
頁 :3〜10

回復期にある脳血管疾患患者の配偶者が障害に対して働きかけをする意味

岡本 明子1

1昭和大学 保健医療学部 看護学科

本研究の目的は、回復期の脳血管疾患患者の配偶者が、患者の障害に対して、働きかけをする場面に着眼し、その意味を明確にすることである。特に「励ます」「高い目標をあげる」という働きかけに着目した。研究のデータは、運動障害を負った患者の配偶者1名に対して、参加観察とインタビューによって収集した。分析方法は1.配偶者が患者の障害に介入し働きかけている場面を、研究者の解釈を含めて記述した。2.インタビューデータの中で、1の働きかけについて語った部分を抽出し、働きかけの意味として記述した。3.働きかけの意味のなかで、共通性のあるものを、回復経過に添って記述した。 その結果、配偶者の働きかけには、介護者としての生活を再構築するという意味があることがわかった。これは介護者としての生活の再構築と、患者ができる範囲で社会復帰するという意味もあった。また障害を負ったことを患者に悲嘆させないために意図的に働きかけるという意味があった。
論文(PDF)を表示