宮地 普子1、阿保 順子2、渡邊 智香3、岡野 照美4
1旭川大学 保健福祉学部、2長野県看護大学、3倉敷中央病院、4北海道医療大学大学院 看護福祉学研究科看護学専攻博士前期課程
本研究の目的は、認知症専門病棟で暮らす認知症患者の状態像を記述し、彼らの行動の意味に関する一つの解釈を呈示することである。対象は認知症専門病棟入院中の認知症高齢者3名であり、調査期間はおよそ1年7カ月である。研究方法は、対象者の参加観察を実施し、評価表によって日常生活における行動機能を評価した。そして、得られた全てのデータを照合し、状態像の変化の特徴を分析した。 その結果、認知症高齢者の状態像の特徴は見当識障害に影響していることが推測された。また、彼らの行動には、生活世界に対する防衛の意味および自己の存在を護る意味があり、彼ら自身にとっては、その行動が主観的現実を捉えなおす側面をもつということが考えられた。看護者は彼らの行動を意味のある世界として捉え、具体的に支援する必要が示唆された。 |