日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2011
巻 :11
号 :2
頁 :21〜28

回復期リハビリテーション病棟から自宅への退院を間近に控えた脳卒中患者の家族の体験

林 みよ子1

1北里大学 看護学部

 本研究の目的は、回復期リハビリテーション病棟から自宅への退院を間近に控えた脳卒中患者の家族の体験を明らかにすることである。脳卒中患者の家族11名を研究参加者として、半構成的面接法を用いてデータ収集し、質的帰納的手法を用いて分析した。 分析の結果、家族は、【 ‘やるしかない’ という覚悟】と【病院からの解放】という思いを持って在宅介護を受け入れ、【 ‘結構できる’ という患者評価】と【受け入れ準備の完了】から【楽観的に見込む】が、同時に【先の読めない介護生活への不安】という思いも抱えて退院を待っていることが明らかとなった。このことから、回復期リハビリテーション病棟から自宅に退院する脳卒中患者の家族に対しては、家族の覚悟を支持するための退院前後の継続的ケア、家族の介護力の強化や介護準備を整えるための支援、在宅介護に対するパラドキシカルな心情の共感、在宅介護を想定した効果的な試験的外泊の実施が必要であると考えられた。
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