日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2010
巻 :10
号 :2
頁 :27〜34

健診センターにおけるCPRシミュレーションの現任教育としての有用性−医療関連職種間の連携の深まりと業務改善の可能性−

大出 明美1、嘉手苅 英子2、高尾 実千代3

1日本赤十字社 沖縄県支部、2沖縄県立 看護大学、3日本赤十字九州国際看護大学

 心肺蘇生法(以下CPRとする)シミュレーションに関する著者らの先行研究(大出他,2009,p.97)から臨床現場で行うCPRシミュレーションには、単にCPRの手技など技術獲得に留まらない学習効果があることが、急性期病棟における研究で明らかになった。 本研究の目的は、現任教育の一環としてA病院の健診センターにおいて実施したCPRシミュレーションにおけるグループ討議および質問紙調査の結果からその有用性を検討することである。 対象は、健診センターの医師・看護師・保健師・管理栄養士・検査技師・看護助手・医療事務の様々な医療チームメンバーである。CPRシミュレーション実施後の質問紙調査とグループ討議記録から、データ収集分析を行った結果、救命という目的の共有によって医療チーム間の連携が深まりモラルも高揚して、業務改善の気付きと日常のCPRの教育普及につながる可能性を得た。 今回、健診センターにおいてCPRシミュレーションを行ったところ現任教育として有用であることが示唆された。
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