住谷 ゆかり1
1東京医療保健大学 医療保健学部 看護学科
個々の看護師が看護を実践するうえで規範としている《在るべき看護》と、《在るべき看護》ではないにもかかわらず行われている《在る看護》の構成要素を明らかにするために、総合病院2施設に勤務する看護師5名に半構成的面接法を実施した。《在るべき看護》は、<患者の情報を統合させ個別的なニーズをアセスメントする>、<患者の個別的なニーズに基づいて看護計画を立案し直す>、<立案した看護を実施する>、<実施した看護を評価する>という一連の過程で、患者の個別的なニーズに沿って展開される患者主体の実践であった。《在る看護》は、<患者の個別的ニーズのアセスメントを省略する>実践であり、看護師に空しさや不全感をもたらすものであった。個々の看護師の《在るべき看護》を日々の実践に反映していくためには、同僚との対話などを通して自らの実践を意図的に振り返り、吟味していくことが重要である。 |