小川 里美1
1京都第二赤十字病院 看護部
南部スーダンでは1985年に勃発した民族紛争が2005年に終結した。2001年以降、国際機関による医療支援活動が活発に行われるようになった。赤十字国際委員会は1993年より、南部の政府基幹病院であるA病院に対し医療支援を行っており、看護師への再教育プログラムも継続的に実施してきた。しかし、得られた知識・技術が実践に活かされることはなかった。紛争を経験した南部スーダンで看護師という職業を選択し働く彼らは、「看護」という職業や「看護師」として働くことをどのようにとらえているのか、彼らの語りから明らかにすることを試みた。28名の看護師に実施したインタビューの分析から、A病院で働く看護師が捉える「看護」という職業、「看護師」として働くことには「光と影」の対極する2面性があること、現在はその影の部分が大きく、看護師である自分への誇りと意味を再発見する過程の途上にあることが示唆された。 |