日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2012
巻 :12
号 :1
頁 :17〜26

火山噴火に伴う長期避難生活を体験した後期高齢者に帰島を決意させた要因−三宅島の2000年火山噴火に焦点をあてて−

成島 ますみ1

1桜美林大学大学院老年学研究科博士後期課程

 三宅島の島民は、火山噴火と有毒ガス噴出の為2000年9月1日全島民避難の指示を受け、島を出た。集落と関係なく集合住宅に入居した島民は、4年半に亘る避難生活を内地で送り、避難指示解除後、帰島する島民と内地に留まる事を選択する島民とに二分した。本研究は、火山噴火に伴う長期避難生活を体験した後期高齢者が帰島を決意するに至った要因を明らかにする事を目的とし、質的記述的研究で実施した。 逐語録から次の5つのカテゴリーを抽出した。経済的要因、家族的要因、心理的要因、健康に関連する要因、コミュニテイに関連する要因であり、これらの要因は単独では存在せず互いに繋がり絡み合い影響し合っていた。 また、抽出した5つの要因の中心を成すものは「住み慣れた島に帰りたい」と言う思いであった。
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