杉田 恵美1、西片 久美子2
1医療法人王子総合病院、2日本赤十字豊田看護大学
認知症高齢者の増加に伴い、一般病棟に入院する認知症患者も増加し、適切なケアが求められている。ケアにあたる看護師の感情が看護の質に影響すると考え、一般病棟の看護師が認知症高齢者との関わりで抱く感情を明らかにする目的で、看護師8名に半構成的な面接を行った。その結果、肯定的な感情は、【正直な感情がうれしい】、【認知症患者の理解が深まると楽しい】など5つのカテゴリーがあった。否定的な感情は【他の患者とケアの折り合いを付けることが難しい】、【認知症患者とのかかわりがわからないし、手間がかかるので困る】、【抑制をすることや説明に理解が得られなくても仕方がない】など、9カテゴリーが見出された。一般病棟の看護師は、個別性に沿った看護に苦慮していたが、看護する嬉しさや楽しさを感じていることが確認できた。また、患者の言動にショックを感じることもあり、これは人間としての感情が直接揺さぶられているためと考えられた。 |