日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2014
巻 :14
号 :1
頁 :27〜32

急性期病院における高齢患者の不穏状態と看護師の困難感

倉岡 有美子1、井部 俊子1、松永 佳子2、中村 綾子3、赤沢 雪路4、川嶋 みどり5、守田 美奈子5、阿保 順子6、上野 優美4、福榮 みか4

1聖路加看護大学、2東邦大学看護学部、3昭和大学豊洲クリニック、4横浜市立みなと赤十字病院、5日本赤十字看護大学、6長野県看護大学

 急性期病院の病棟看護師が、不穏状態の高齢患者の対応において何を困難と認識しているのか現状を明らかにすることを目的として、2010年10月〜12月に調査を実施した。30の急性期病院の看護師長200名に自記式質問紙を配布し、148名から回答を得た(回収率74%)。その結果、調査対象期間の1週間に不穏状態となった高齢患者の症状別の人数は、興奮状態106人であり、次いで睡眠障害98人、不安抑鬱が76人であった。また、病棟看護師が対応困難なことは、「カテーテルや点滴の自己抜去」96.5%が最も多く、次いで「転倒・転落」95.1%、「説明しても理解が得にくい」88.2%であった。さらに、患者対応に関する相談相手は、主治医、精神科医が主であった。一方、専門看護師や認定看護師が勤務する施設では、必ず彼らに相談しており、その場合は、症状の解決に対する評価が高かった。
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