山崎 裕二1
1日本赤十字看護大学
本研究では、戦前の日本赤十字社の点呼召集の規程の変遷や施行の実態を明らかにし、その特徴について考察をした。規程の変遷については、1889年の毎年施行、2週間以内の看護法復習から、1898年の隔年施行、簡閲点呼または2週間以内の復習へ、さらに1910年の3年ごとの施行へと簡略化された特徴が明らかになった。点呼召集は、養成所卒業後、日赤以外の多様な職場や家庭にいた看護婦・看護人の日赤救護員としてのアイデンティティや連帯感、救護へのモチベーションを保持し強化する役割を果たし、日赤救護の質を維持・向上するための「継続教育」としての歴史的意義をもつものと考える。 |